オレの名前はドルク。
オレはこの名前を何度呼ばれたのか?
年が明け、春が来て10歳になった。
喉元もうっとおしくなってきたが
まだ羽も整えられる。
足も衰えて来たようだが動くことはできる。

ただ、飛ぶことがままならなくなってきた。
それを感じたおかぁは、オレを手に乗せ移動させてくれた。
行きたい所で降りて迎えに来てくれる。
行きたくない所は降りなければいいので楽だ。
暑い夏が過ぎ秋が来た。
オレはますます、身体の自由が利かなくなってきたのを
感じ始めていた。

寒い冬が近づく頃には寝ることが多くなった。
おかぁは、毎日部屋掃除のたびにオレを外に出してくれたが
待ってるあいだも眠い。
ハルちゃんは、動きが鈍くなってきたオレのそばに
いつも居てくれる。
口ばしについたゴハンをとってくれたり、
羽づくろいしてくれたり。
おかぁは、老人介護だと微笑んでいる。
おかぁは、部屋をのぞくたびに声をかける。
起きないと何度も呼ぶので少々面倒だ!
年が明けるころには、部屋の移動はできるが
とにかく眠くて寝ることが多くなった。
子分たち、おかぁ、おとぅの声を聞いたり
昔のことを思い出しながら寝るのが心地良い。
オレの鳥生は波乱万丈か?
オレは自信をもって幸せな男だと言える!
今年も新しい年を迎えることができた。
明けてすぐに茶々丸が眠った。
オレより先に眠っちまったのか!
オレより先に眠ったやつらは待ってるだろうか!

オレも眠くてしかたない。
目を開けようとするが瞼が重くて眠い。
ハルちゃんは隣りで心配そうにしているが
それに応えてやれる力もない。
おかぁは、毎晩寝る前に「また明日ね!」と声をかけてくれる。
また…明日…な…
オレは永い眠りに陥った(…完)

ドルク 平成24年2月24日享年10歳11ヵ月 永眠
【後記】
最後までお読みいただきありがとうございます。
愛鳥ドルクは、私の人生の中で辛い時期を一緒に過ごしてきました。
共に泣き笑い、小さい身体でもとても大きい存在でした。
最期はどのようなかたちで迎えるのか?
とても不安でしたが、苦しむことなく眠るように逝きました。
居なくなってしまった悲しみはありますが
穏やかに送ることができました。
冷たいようですが、驚くほど後悔もなく納得した自分がいました。
それは、ドルクが一生懸命生きてくれたからでしょうか?
悔いのない鳥生を送ってくれたドルクに感謝したいと思います。
ありがとうドルク、また明日ね!
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